Fender American Vintage Stratocaster Refinish & Relic|Lake Placid Blue “RYUBOKU mood” Heavy Relic – Master Build(Body)

Custom Order

overview

ご依頼を頂きまして誠にありがとうございます。
今回は American Vintage Stratocaster(オールラッカー) をベースに、
●ボディ
●ボディ不随の金属パーツ
を対象とした リフィニッシュ&ヘヴィーレリック を製作しました。

お客様のきっかけは、当店で過去に掲載している “流木(RYUBOKU)” 系の製作記事。
「完全に同じものを作りたい」というより、雰囲気を気に入ってくださってのご要望でした。
作り手としてうれしいです。

そのため今回は、流木の空気感を “基準” にしながらも、この個体の木目・削れ方・既存の傷の性格 をちゃんと見て、流木を元に アレンジ しています。
(同じ塗り方をしても、木が違えば表情が変わる。ここは毎回、良い意味で裏切られます。)


“流木(RYUBOKU)” について(簡単に)

東京スカパラダイスオーケストラのギタリスト 加藤隆志氏 が愛用する、Lake Placid Blue のストラト。
強い使用感と、メタリック特有の褪色・剥がれ・層の奥行きが混ざった、独特の存在感が魅力です。

当店で過去に製作した “流木レプリカ” 記事はこちら:

加藤隆志氏所有の流木

今回の方針(お客様とのやり取りを反映)

  • ベースは 流木(RYUBOKU)のムード
  • ただし 完全再現が目的ではない
  • お客様のギターの “素材のクセ” を活かして、自然に成立する方向へ
  • ピックガードは10ホール。わずかな反りは「味」として採用(割れ・縮み・穴ズレなし)

そして今回は、仕上がりの説得力を上げるために Master Build(ボディ) を採用しています。


こだわったポイント

1) Lake Placid Blue のカラーとメタリック感(パウダーの最適化)

LPBの難しさは、青の色味だけじゃなく メタリック粒子の見え方 で印象が決まるところ。
今回は狙うムードに合わせて、パウダーの 種類粒子の細かさ を調整し、
「ギラつきすぎないのに、光でちゃんと反応する」粒子感に合わせ込みました。

2) “層” が自然に表れるレリック(木地/シーラー/ホワイト/LPB/クリア)

当店のレリックは、塗装の上に傷を描くだけの方法ではありません。
木地 → シーラー → ホワイト → LPB → クリア
それぞれの層が、同じ場所から同じ表情で出てくると嘘になります。

今回は、層ごとの硬さ・出方・境界の馴染みを整え、
「触ったときに、ああ…ってなる」自然さを狙っています。
(写真だと伝わりきらないポイントですが、手触りが大事です。)

3) ウェザーチェックは “自然に発生させる” 方向を採用

ウェザーチェックは、ただ割ればいいわけじゃない。
密度・方向・深さが揃わないと、急に作り物になります。

今回は 自然に発生させる方法 を採用し、
クラックの雰囲気と、今後の経年変化で育っていく余白まで含めて設計しました。
(ここは時間が経つほど、楽しくなってきます。)

4) 見えないところも “同じ時間” を入れる(キャビティ内/ピックガード下)

表だけビンテージで、内側がピカピカだと、手に取ったときに違和感が出ます。
キャビティ内、ピックガードの下も、空気感が繋がるように加工を入れています。

5) 金属パーツは “やりすぎない自然さ”

金属は黒くすればそれっぽく見える反面、やりすぎると一気に嘘になります。
今回は、全体のムードを壊さない範囲で 自然な風合い を優先。
ネジ一本でも、雰囲気が変わるので侮れません。

6) メタリック特有の劣化表現

LPBの魅力は、剥がれや焼けだけじゃなく、
メタリック塗装が “疲れていく感じ” が各所で出てくるところ。
その質感を、ポイントごとに散らしてあります。


build process|製作過程(工程の流れ)

※工程の流れは個体差で前後しますが、概ね下記の順です。

1) 分解/状態確認(既存の剥離・傷のチェック)

2) 旧塗膜の除去(下地の整合を取るため、必要範囲はリセット)

3) 下地調整(木地→シーラーの整え)
4) ホワイト層の設計(出方が“流木ムード”の肝)
5) LPB塗装(メタリック粒子と色味の最適化)
6) クリア層(艶・硬化・後の割れ方まで含めて設計)
7) レリック加工(層が自然に出るように調整)

8) ウェザーチェック(自然に発生させる方向で)
9) キャビティ内/ピックガード下のビンテージ加工
10) 最終組み上げ/全体バランス調整


gallery


さいごに

今回は “流木(RYUBOKU)” をそのままコピーするのではなく、
この個体が持っているクセ を活かして、流木のムードへ寄せた一本になりました。
狙いは「格好良さの芯があること」。そして、手に取ったときに嘘がないこと。

ご依頼、ありがとうございました。


ご相談はこちら

ichimonzi では、Telecaster、Stratocaster、Jazzmaster、Les Paul など各種リフィニッシュ/レリック加工のご相談を承っております。

・John Frusciante 系の 3TS / Heavy Relic
・ビンテージ感を重視したニトロセルロースラッカー仕上げ
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