overview
ご依頼を頂きまして誠にありがとうございます。
今回は American Vintage Stratocaster(オールラッカー) をベースに、
●ボディ
●ボディ不随の金属パーツ
を対象とした リフィニッシュ&ヘヴィーレリック を製作しました。
お客様のきっかけは、当店で過去に掲載している “流木(RYUBOKU)” 系の製作記事。
「完全に同じものを作りたい」というより、雰囲気を気に入ってくださってのご要望でした。
作り手としてうれしいです。
そのため今回は、流木の空気感を “基準” にしながらも、この個体の木目・削れ方・既存の傷の性格 をちゃんと見て、流木を元に アレンジ しています。
(同じ塗り方をしても、木が違えば表情が変わる。ここは毎回、良い意味で裏切られます。)
“流木(RYUBOKU)” について(簡単に)
東京スカパラダイスオーケストラのギタリスト 加藤隆志氏 が愛用する、Lake Placid Blue のストラト。
強い使用感と、メタリック特有の褪色・剥がれ・層の奥行きが混ざった、独特の存在感が魅力です。
当店で過去に製作した “流木レプリカ” 記事はこちら:
- 2025|CUSTOM-MADE Masterbuilt Takashi Kato 1965 Stratocaster Ultimate Relic “RYUBOKU”
- 2023|CUSTOM-MADE TAKASHI KATO Strat Heavy Relic

今回の方針(お客様とのやり取りを反映)
- ベースは 流木(RYUBOKU)のムード
- ただし 完全再現が目的ではない
- お客様のギターの “素材のクセ” を活かして、自然に成立する方向へ
- ピックガードは10ホール。わずかな反りは「味」として採用(割れ・縮み・穴ズレなし)
そして今回は、仕上がりの説得力を上げるために Master Build(ボディ) を採用しています。
こだわったポイント
1) Lake Placid Blue のカラーとメタリック感(パウダーの最適化)
LPBの難しさは、青の色味だけじゃなく メタリック粒子の見え方 で印象が決まるところ。
今回は狙うムードに合わせて、パウダーの 種類 と 粒子の細かさ を調整し、
「ギラつきすぎないのに、光でちゃんと反応する」粒子感に合わせ込みました。
2) “層” が自然に表れるレリック(木地/シーラー/ホワイト/LPB/クリア)
当店のレリックは、塗装の上に傷を描くだけの方法ではありません。
木地 → シーラー → ホワイト → LPB → クリア
それぞれの層が、同じ場所から同じ表情で出てくると嘘になります。
今回は、層ごとの硬さ・出方・境界の馴染みを整え、
「触ったときに、ああ…ってなる」自然さを狙っています。
(写真だと伝わりきらないポイントですが、手触りが大事です。)
3) ウェザーチェックは “自然に発生させる” 方向を採用
ウェザーチェックは、ただ割ればいいわけじゃない。
密度・方向・深さが揃わないと、急に作り物になります。
今回は 自然に発生させる方法 を採用し、
クラックの雰囲気と、今後の経年変化で育っていく余白まで含めて設計しました。
(ここは時間が経つほど、楽しくなってきます。)
4) 見えないところも “同じ時間” を入れる(キャビティ内/ピックガード下)
表だけビンテージで、内側がピカピカだと、手に取ったときに違和感が出ます。
キャビティ内、ピックガードの下も、空気感が繋がるように加工を入れています。
5) 金属パーツは “やりすぎない自然さ”
金属は黒くすればそれっぽく見える反面、やりすぎると一気に嘘になります。
今回は、全体のムードを壊さない範囲で 自然な風合い を優先。
ネジ一本でも、雰囲気が変わるので侮れません。
6) メタリック特有の劣化表現
LPBの魅力は、剥がれや焼けだけじゃなく、
メタリック塗装が “疲れていく感じ” が各所で出てくるところ。
その質感を、ポイントごとに散らしてあります。
build process|製作過程(工程の流れ)
※工程の流れは個体差で前後しますが、概ね下記の順です。
1) 分解/状態確認(既存の剥離・傷のチェック)


2) 旧塗膜の除去(下地の整合を取るため、必要範囲はリセット)


3) 下地調整(木地→シーラーの整え)
4) ホワイト層の設計(出方が“流木ムード”の肝)
5) LPB塗装(メタリック粒子と色味の最適化)
6) クリア層(艶・硬化・後の割れ方まで含めて設計)
7) レリック加工(層が自然に出るように調整)


8) ウェザーチェック(自然に発生させる方向で)
9) キャビティ内/ピックガード下のビンテージ加工
10) 最終組み上げ/全体バランス調整
gallery
さいごに
今回は “流木(RYUBOKU)” をそのままコピーするのではなく、
この個体が持っているクセ を活かして、流木のムードへ寄せた一本になりました。
狙いは「格好良さの芯があること」。そして、手に取ったときに嘘がないこと。
ご依頼、ありがとうございました。
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ichimonzi では、Telecaster、Stratocaster、Jazzmaster、Les Paul など各種リフィニッシュ/レリック加工のご相談を承っております。
・John Frusciante 系の 3TS / Heavy Relic
・ビンテージ感を重視したニトロセルロースラッカー仕上げ
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