CUSTOM-MADE 60s Jazzmaster 3TS

Custom Order

このたびはご注文をいただき、誠にありがとうございます。
本機は、お客様の強いこだわりとヴィンテージへの深い愛情を受けて、ichimonziが一点一点丹念に仕上げた特別なJazzmasterです。

ご依頼内容

・ボディ:
 レッドが自然に退色した2トーンサンバーストにて再塗装。
 控えめなレリックと、実在するヴィンテージを参考にした強めのウェザーチェックを施し、枯れた質感に。
 ピックガードは黒3プライを新規手配し、面取り加工と艶感にもこだわりました。
 エルボーコンター部の剥がれは、実使用に伴う自然な摩耗感を再現しています。

・ネック:
 ブログで紹介した「ジミ・ヘンドリックスモデル」と同様の手法にて、
 ローズウッド指板は、ハカランダを思わせる深く上質な黒へと染め上げました。
 ネック裏は「さらさら」とした演奏性を追求しつつ、クリア感と日焼けの風合いを絶妙に融合。
 Fenderロゴの再貼付も行い、当時の佇まいを再現。

・パーツ類:
 金属は過度なサビを避け、使い込まれた鈍い輝きに。
 プラスチックパーツは黄ばみすぎず、あくまで自然な経年を表現しました。
 ブリッジはお持ち込みのムスタングタイプを装着。ご希望があれば、使用感に応じた代替案もご提案いたします。

ichimonziのこだわり

このギターに込めたのは、「ただの加工」ではなく、記憶の風景にある一本のような“時の質感”です。
ラッカー塗装の透明感を活かし、塗膜の奥からにじみ出る経年美。
ウェザーチェックは温度湿度の変化を用いた自然な手法により、一本ごとに異なる表情を刻みました。

ネックから指板にかけての色味や手触り、ピックガードの縁に浮かぶわずかな艶感、
どれもが演奏者の視線と指先に応えるディテール。
それぞれの加工には、再現ではなく「再構築」の視点をもって取り組んでいます。

process

1. ボディ塗装の再構築

  • 旧塗装の剥離
     オリジナルの塗膜をすべて剥がし、木地のコンディションを丁寧に確認します。
  • 目止めと下地処理
     導管を活かしつつも滑らかに整えることで、後の色乗りと質感に深みを与えます。
  • サンバーストの再塗装(ニトロセルロースラッカー)
     ご要望の「レッドが退色した2トーンサンバースト」を再現するために、複数の色を層状に重ね、光と時間の経過によるにじみを再構成。
  • クリア塗装(ニトロセルロースラッカー)
     ツヤを抑えつつも深みのある表面を目指し、薄く均一に吹き重ねました。
  • ウェザーチェック加工
     本物のヴィンテージギターと同様に、温度変化による自然なクラックを発生させる技法を採用。
     一点ごとに異なる、唯一無二の表情を生み出します。

2. ネック加工

  • ネック塗装の剥離と下地処理
     演奏性と質感を両立させるため、裏面は「さらさら」な肌触りに。指板周辺も滑らかに整えました。
  • 指板の染色と仕上げ
     ローズウッド指板は、ハカランダをイメージした深い黒へと染色し、自然な艶を持たせる仕上げに。
  • クリア塗装(ニトロセルロースラッカー)
     ネック全体をラッカーで包み込み、やや日焼けしたような経年感を表現しました。
  • Fenderロゴの再貼付
     オリジナルの佇まいを再現するため、バランスと位置に細心の注意を払い貼付・定着。

3. パーツ類の加工

  • ピックガードの面取りと艶調整
     新品の黒3プライガードを、使い込まれたもののように加工。表面の艶もやや落とし、周囲に馴染む仕上げに。
  • プラスチックパーツのエイジング
     ノブやカバーは黄ばみすぎず、「空気に馴染んだ白」になるよう慎重に加工。
  • 金属パーツのエイジング
     サビつかせるのではなく、手の脂や空気によってくすんだような質感を再現。時間を感じさせるマットな風合いに。
  • ブリッジの交換
     お持ち込みのムスタングブリッジを装着。使用に問題がないか細かく確認し、セットアップ。

gallery

コメント

タイトルとURLをコピーしました