CUSTOM-MADE Fender USA Telecaster Vintage White

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ご予約を頂きまして誠にありがとうございます。

John Frusciante を想起させる“焼け感とムラ”を、ラッカーで品よく再現いたします。

Base:Fender USA 2002 American Deluxe Telecaster(Candy Tangerine / Rosewood)
Finish:All Nitrocellulose Lacquer(Body & Neck & Parts)
Aging:Relic + Weather Check(通常)
Decal:62年タイプ(ゴールド系をリプレイス)
Hardware/Plastic:レリック加工
Electronics:ハイパスコンデンサー(トレブルブリード)※実装時は撤去
Set-up:最終調整(弦高・オクターブ・TR・電装含む)


Overview|方向性とコンセプト

ご依頼主様からのキーワードは、
「記憶に残る渋さ」「Frusciante の OWH/クリーム系」「焼け・変色のムラ感」
“激しさ”だけではない、上品さとリアリティの両立を主眼に、ニトロセルロースラッカーで再塗装。塗膜の張り・光の回し方・エッジの減りに一貫した語彙を持たせ、遠目での印象と、手に取った時の説得力が齟齬なく重なるよう設計しました。


Color Direction|白すぎないクリーム、控えめな黄変の階調

  • ベースは白すぎないクリーム
  • 日焼け/汚染由来の“わずかな色ムラを層で作り分け、フラット光下でものっぺり見えない”微細な濃淡を配置。
  • 画像では伝わりきらない表面テンション(艶の張り)と局所的なドライダウンを併置し、古いラッカーらしい「呼吸感」を再現。

Relic Map|“記憶に残る”が、出しゃばりすぎない

フロントは、ピック/前腕が当たる帯域を中心に摩耗とヘアラインを積層。
エッジは、打痕の密度・深さを強弱3段でコントロールし、無作為風ながら演奏由来の合理性を担保。
バックはベルト/体当たりを想定して艶反転と擦過痕を中心に、表面グロスとの対比で立体を作る。
ウェザーチェックは通常仕様。割り過ぎない密度で上品に。


Neck & Head|プレイレンジに沿った“使用痕”/濃いめアンバー

  • プレイレンジは5〜12F中心(ブルース>ファンク>ロック、チョーキング/スライド多)。
    握り癖/抜き差し摩擦を反映し、フレット端〜指板外周の艶ムラを設計。
  • ヘッド濃いめアンバーを基調に、62年タイプ(ゴールド系)デカールをリプレイス。
  • クリアは薄い膜厚で段差処理。遠目に落ち着き、近接で“時代感”がにじむ。

Hardware & Plastic|鈍い艶の統一と、機能の信頼性

  • Fender Vintage TunersALLPARTS 3-Saddle BridgeFender ‘58 Saddle Kitを組込み。
  • 金属は鈍い艶〜点腐食の手前で止める方向。プラは微黄変+艶落ちで年代感を合わせる。
  • レリック加工は演奏に不利益を生じない範囲を厳守。調整域・ネジ頭の係合性を損なわない。

Electronics|トーンの「丸さ」へ

お客様のご希望により、ハイパスコンデンサー(トレブルブリード)実装時は撤去
ボリュームを絞った際の丸いニュアンス/ジャズトーン寄りの表情を優先。ポットの追従やトーンキャパシターの効きは最終セットアップで微調整し、実効域で気持ちよく効くポイントに追い込んでいます。


Set-up

  • トラスロッド/弦高/オクターブを実測で合わせ込み。
  • ピックアップ高はクリーンでの立ち上がりと、歪ませた時の腰の残り方のバランスで設定。
  • 弦のしなり感ピッキング応答を優先し、触れて数秒で“馴染む”状態を狙っています。

Before / After

〈写真キャプション候補〉

  • Before(Candy Tangerine / Poly)→ After(Nitro Cream / Relic)
  • 色域比較:白背景・黒背景での見え方の差。
  • 斜光:ウェザーチェックの出方。

Work Log|主な工程

  1. 剥離・下地調整:段差・エッジを再定義し、薄膜で乗る“地肌”を作る。
  2. カラー塗装(単色):白過ぎないクリームをベースに、後工程を見越した色置き。
  3. クリア/研磨(多段):膜厚を抑えつつ、艶の「張り」を残す。
  4. エイジング:摩耗・打痕・艶反転・ウェザーチェックを統合。
  5. ハードウェア/プラ レリック:質感トーンを統一。
  6. 電装調整:トレブルブリード有無の確認/撤去対応。
  7. 組立・最終セットアップ:実奏での再調整、仕上げ。

Care

  • ニトロは呼吸する塗膜です。長時間の密着保管(ゴム成分・可塑剤多いスタンド等)は艶曇り・転写の原因に。
  • クリーニングは乾拭き
  • ケース内の湿度管理で、木部の動きと塗膜ストレスを抑制。

Gallery


Notes

  • 本記事の価格・仕様は本件固有のものです。個体状態やご希望により最適なプランをご提案いたします。
  • デカールは年代整合性を優先し、レイアウト・段差処理は近接美観を重視しています。
  • 電装の味つけ(ハイパス有無/コンデンサー値など)は演奏スタイルに合わせて都度チューニングいたします。

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