’57 Strat らしくあれ “Fernendes The Revival 編” Heavy Relic

Remake

はじめに

Fernendes の国産ビンテージギター”The Revival”。完全に分解レストアし、リフィニッシュを行いました。ビンテージ(レリック)加工を行う事により1957年のストラトを再現
スモールヘッド、メイプル1ピースネック、ボディーはアルダー。軽量で中域、低域に厚く、控えめな高域で甘いサウンド。

ボディー、ネック共に現在の同価格帯ものに比べてはるかに良質の素材、また、乾燥し安定しています。
完全にレストアし、カスタム塗装と調整を行うことにより新しいギターへと生まれ変わります。

枯れたサウンドはビンテージギターならではの物!
アッセンブリーに関しても、コストダウン、採算重視の現在の機種とは違います。

ネックはストレート、フレットは新しいものに交換します。
トラスロットは締められておらず、フリーの状態で、十分調整可能。
ボディー、ネックの塗装はポリ塗装、全てはがして薄いニトロセルロースラッカー塗装を施します。

有名メーカーカスタムショップの手掛けるレリック加工のデザインに寄せ、
更に、独自の方法で塗装の機能を損なわずにダメージを再現したいと思います。

良く見る、「傷を付けただけの新しいギター」との質感や、サウンドの違いにご注目。

注意、この作品はスプレーガンを使用して塗装しています。スプレー缶を使用し塗装する場合はスプレー缶に記載の乾燥時間をお守りください。
スプレーガンよりもスプレー缶による塗装は難しく、コツが必用です。しかし、道具の費用メンテナンスなどを考えるとスプレー缶は大変便利です。

ニトロセルロースラッカー塗装でビンテージ風エレキギターにリメイク!

分解


ボディー、ネックともに状態は良好
ピックアップは欠品しているので、新品のアルニコⅤを取り付けます。
経年による木材の乾燥で、ネックの取り付け角度に若干のゆがみが見られます。
修正し正常な状態に戻しましょう。

ネックの加工

塗装はがし

フレットをすべて抜き取ります。
小型のサンダーで荒削りし、
サンドペーパー#80から#400まで仕上げます。

指板をR184mmに整形



フレットの交換

指版を整形しフレットを打ち込みます。
フレットの短部を切り取り、金やすりで研磨
端部のバリを丁寧に取り除きます。


塗装後、フレットをすりあわせ、フレットの断面を半円形になるように整形、サンドペーパー、コンパウンドで研磨






ビンテージ塗装

指板のはがれる部分にペイントしマスキング、




次にポアーステインでビンテージカラーに色付けします。
経年による塗装のはがれで付着した、ネック裏の手垢を予めポアーステインで着色します。




木部用プライマーを塗布し一日乾燥
サンディングペーパー#400で軽く研磨
ラッカースプレークリアつや消しでネック裏のみ塗装し二日乾燥


乾燥後にマスキング


サンディングシーラーを塗布
更にサンディングシーラーを塗布し2時間乾燥
サンディングペーパー#400で研磨

ラッカークリアを塗布
更にラッカークリアを塗布し二日乾燥
 
サンディングペーパー#400、#600、#1000で研磨

ヘッド部分とネックの付け根部分のみをコンパウンドで研磨し控えめな艶出し
ネック裏の一部はマッドに仕上げます。
 

 

 

最後にマスキングテープをはがし、バリの取り除きと、細かなダメージをハンドルーターで再現。

ネック裏の良く使う部分が削れた感じが再現できました。
削れた部分にも予め塗装をしてありますので、大切なネックに水分が染込む心配はありません。

ボディーの加工

塗装はがし

ベルトサンダーで大まかに塗装をはがし、
電動サンダーで平面を出し、
小型のベルトサンダー曲面部を削り、

サンディングペーパーで#220、#400、仕上げます。






材質はアルダー、3ピース。

ネック取付角度の調整

ネックの角度調整をするためにネックポケットに木材を貼り付け、
正しい角度に削り出します。


仮に弦を張りネックの角度を決めます。

ネック側の木ネジの穴を埋め、
取り付け角度を決定し、ネックポケットを削りだします。

決定した位置でネジ穴を空け直します。



ネックポケットもピッタリで、方向も正確になりました。

ニトロセルロースラッカー塗装

ポアーステインでビンテージカラーに色付けします。
木目を目立たせると共に、

3ピースの継ぎ目を解り難く塗装します。

木部用プライマーを塗布し一日乾燥
塗装をはがす部分にマスキングテープを貼ります。



サンディングシーラーを塗布
サンディングシーラーを塗布
更にサンディングシーラーを塗布し2時間乾燥
サンディングペーパー#400で軽く研磨

平面が出たことを確認




ラッカーオリンピックホワイトを塗布
更にラッカーオリンピックホワイトを塗布
ラッカークリアを塗布
更にラッカークリアを塗布し一日乾燥





サンディングペーパー#400、#600、#1000で研磨




コンパウンドで研磨




マスキングテープをはがし、細かなダメージなどをハンドルーターで再現。
経年による黄ばみや汚れをペイントします。






その他のパーツ

サビ止め加工

ブリッジのパーツ、芋ネジを外しサビを取り除きサビ止めを塗布します。
その他の木ネジにもサビ止めを塗布します。

加工前


加工後

サビ加工

ネックプレートのロゴを削り取ります。


サビのように見える塗装を施します。


プラスチックパーツの加工

ピックガード、ピックアップカバー、スピードノブなどのパーツに経年による黄ばみのような塗装を施します。

組立て

すべてのパーツを取り付け、調整します。
アセンブリを組み立てます。



弦(Ernieball hybrid slinky)を張ります。


ナットの整形
弦高を決めて、専用のヤスリで溝を削ります。
0.2mに設定



経年による汚れをペイントし、接着します。




完成
















まとめ

Body Material: Alder 3piece
Body Finish: Nitrocellulose Lacquer ニトロセルロースラッカー
Neck Material:  Maple 1piece
Neck Shape: “C” Shape
Scale Length: 25.5″ (648 mm)
Fingerboard Radius: 7.25″ (184 mm)
String Nut: Synthetic Bone
Neck Finish: Nitrocellulose Lacquer ニトロセルロースラッカー
Fingerboard: Maple 1piece
Bridge Pickup: Single-Coil
Middle Pickup: Single-Coil
Neck Pickup: Single-Coil
Controls: Master Volume, Tone 1. (Neck Pickup), Tone 2. (Middle Pickup), 3way Switch
Bridge: 6-Saddle Synchronized Tremolo
Tuning Machines: Kluson Type

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