スプレー缶を使って綺麗に塗装できないですよね。でも、コツをつかめば綺麗に仕上げる事は難しくないのです。
ポイントを二つ
・下地処理を丁寧にする事が綺麗な仕上げへの近道。
・均一に塗る。
下地処理
スプレーを吹き付けるコツをつかんだとしても下地処理がいまいちだと綺麗に仕上がりません。
下地処理を丁寧に十分な時間をかけて行いましょう。
手順
大きな凹凸を荒めのサンディングペーパー(#220程度)で削り取るか、パテで埋めて修正します。その後サンディングペーパーの#400程度まで研磨します。ペーパーの目の粗さを徐々に細かくする事で研磨にかかる時間を短縮し綺麗に仕上げる事ができます。
ポイント
平滑な面を作りたい場合は、サンディングブロックなどにサンディングペーパーを巻き、研磨すると綺麗に仕上がります。その様なものが無い場合でも木片やダンボールなどでも代用することができます
均一に塗る
スプレー缶を塗面から15~20cmほど離して一定の速さで動かしながら上から平行に吹き付けていきます。
使用条件
- 雨の日は湿度が高く塗装面に水分による白濁ができる場合があるため、塗布は避けたほうが良いでしょう。
- 気温が5度以下程度では塗料の粘度が上がると共に、スプレー缶内部の圧力が下がる為、綺麗に塗装することは難しいでしょう。
- 気温が低いときは缶スプレーを人肌に温めてから使用するとよいでしょう。ただし、スプレー缶は火気厳禁であり、過熱すると大変危険です。また、40度以上の場所での使用や保管も避けなければなりません。
吹付けのポイント
- 缶は縦の状態で使用しましょう。横にするとガスだけが抜けてしまいます。
- ノズルを押す瞬間と離す瞬間は塗面から外しましょう。圧力が弱まるために、だまが飛び散りやすくなります。
- 光の反射を利用し塗面にどれくらいの塗料が付いているかを判断しながら塗ります。最適な塗面についた塗料の状態はなめらかなでこぼこがありかつ艶がある状態。
- 塗布した瞬間はウエット感がなくても、数分で滑らかになる場合がありますので吹きつけ過ぎに注意。
- 最適な状態を見逃し、つるつるになるまで吹き付けると液だれします。
- もし、液だれした場合、完全に乾燥させてから、周りをマスキングして液だれ部分だけをサンディングペーパーで慎重に削り取ります。ここで失敗すると、すべての塗装を剥がして最初からやり直しになりますので注意が必要です。
手順
最初に脱脂を行います。これは油分が塗料をはじくのを防ぐためです。ペイントする素材によって適切な脱脂剤があり、塗装の途中での研磨後にも脱脂するため、あまり強い溶剤は不適切でしょう。脱脂剤は静電気を防止してくれるものがおすすめです。脱脂剤がない場合、薄めた中性洗剤で代用することもできます。
※良質な木材に塗装する事を前提としています。
木材用のプライマーなどで塗装の下準備を行い、乾燥後サンディング(#400程度)を行い、脱脂します。
(ラッカー塗装でビンテージ風に!で詳しく解説しています。)
いよいよラッカースプレーを吹き付けます。
最初の吹き付けは薄めに!下地が少し見えるくらいが良いでしょう。30分ほど乾燥させると今まで気付かなかった塗面の不具合を見つけられるかも。そんな時は潔く下地処理から再出発です。
一度目の吹き付けは問題点の発見のつもりで行うとよいでしょう。
最初の吹き付けがうまく出来ればサンディングペーパー(#400~#800)で軽く研磨し脱脂します。
二度目の塗装を行います。
一度目よりもしっかりと塗りましょう。
缶スプレーそれぞれの規定時間、乾燥させて三度目の塗装を行います。
二度目と同じように塗りましょう。
適切に塗布すれば、この時点で完成でもよいですが、より平滑で鏡面に仕上げたい場合は最低3日ほど乾燥させてサンディング#600~#1200を行いコンパウンド細目、極細目で仕上げます。
ヒント
多色塗装
ラッカー塗装が完全に乾燥するには一週間から十日ほどかかります。塗装の上にマスキングをして模様などを入れる場合は十分乾燥させてから行いましょう。
乾燥が不十分な場合やマスキングごに厚塗りした場合など、揮発するはずの溶剤がマスキングテープと塗面の間に溜まり、塗装を溶かしてしまいます。
雨の日の塗装
雨の日の塗装は避けたほうがよいかも。
塗料を噴射するときに水分を含んでしまい、塗面に細かな気泡が出来てしまう事があります。
気温による影響
気温が低いとスプレー缶の圧力が下がりダマが出来やすくなります。缶をぬるま湯で暖めるなどの工夫が必要です。ストーブなどで暖めると爆発するので危険。
私は作業ズボンのポケットやお腹にしばらく入れておいてから塗装しています。
塗料の質
塗料の種類、色によって塗りやすさ、乾燥にかかる時間、仕上がりが異なります。あまり安価な塗料はおすすめできません。
時間、塗料やサンディングペーパー、研磨剤の費用などを惜しまない事で結果として経済的になるでしょう。
注意
ラッカースプレーは有機溶剤を使用した塗料です。塗装の時は十分に換気しましょう。
また、防毒マスクをつけると良いでしょう。性能の良いものでも5千円以内で購入できます。
防毒マスクをつけて作業すると、作業を楽に行えるようになります。
まとめ
スプレー缶による塗装はコンプレッサーなどを使わずに気軽に行えることが魅力です。なによりも自分好みに塗装できる達成感が得られます。一番大切なのは落ち着いてゆっくりと工程を楽しむ事でしょうか。
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