はじめに
ニトロセルロースラッカーで塗装したギターはポリ塗装のもよりも高額で販売されています。塗料代はあまり変わらないので、迷わずラッカー塗装でしょう。しかし、きれいな塗装はかなり敷居が高そうで避けていませんか。手順を追って丁寧に作業すれば、美しいしあがりも夢ではありません。
ではビンテージ風塗装に挑戦してみましょう。
下地処理
まずは塗装を剥がします。
続いて下地処理、木地をサンディングペーパー♯400で木目にそって研磨します。傷などがある場合は荒めの番号♯120♯220などから削り始めます。それでも平らにならない傷や凹みがある場合は木部用パテで補修した後、サンディングを行います。サンディングブロックなどを使用するとよいでしょう。
目止め
塗料の吸い込みを防ぐ為に導管を塞ぎます。
一般的に木目がはっきりとした木材、アッシュ、セン、ウォルナット、マホガニーなどは導管が太い為、との粉や木部用プライマーを用いて目止めを行います。
メイプル、アルダー、バスウッドなどは導管が細いので目止めの必要はないでしょう。
導管が細い木材であっても木の断面方向では塗料を吸い込みやすくなりますので、プライマーなどでの処理をお勧めします。
手順
との粉は水で溶き木目の方向に布で塗りこみ、乾く前に余分な粉をふき取ります。
乾燥後、サンディングペーパーに平らな木片などを当てて軽く削り、平面に仕上げます。
木部用プライマーの場合は木地全体に塗布し、乾燥後、サンディングを行います。簡単に下地を整え、上塗り塗料の吸い込みを抑えることができます。
着色(木目を生かした鏡面仕上げの場合)
木目を生かした鏡面仕上げの場合木地に直接着色します。
着色のタイミングは目止めの方法によって異なりますので注意が必要です。
との粉を使用する場合は目止めと同時又は後に、
木部用プライマーを使用する場合はその前に着色します。
着色手順ポアーステインを刷毛で手早く塗り広げ、30秒ほどで布でふきとり乾燥させます。
好みの色になるまで繰り返し重ね塗りをします。
注意
重ね塗りする場合は必ず乾燥させてからにしましょう。乾燥すると色が濃くなります。
また、クリア塗装をするとさらに濃くなりますので、少し薄いかなと思うくらいで良いでしょう。
中塗り
鏡面仕上げの場合、表面の細かな凹凸まで平らにする必要があります。
ソリッド(塗つぶし)塗装の場合はサーフェイサー(有色)または、サンディングシーラー(透明)、木目を生かした塗装の場合はサンディングシーラー(透明)を使用し平面を作り出します。
手順
サーフェイサー又はサンディングシーラーを塗布します。
乾燥後サンディングペーパーで削り平面をだします。
平面が出ない場合はもう一度作業を繰り返します。
上塗り
いよいよラッカースプレーを吹き付けます。
木目を生かした鏡面仕上げの場合はクリアを、そうでない場合は好みの色のラッカースプレーで塗装しその後クリアで仕上げます。
(ラッカースプレーの吹付け方法はスプレー缶吹き付けのコツ!で解説しています。)
手順(木目を生かした鏡面仕上げ)
ラッカースプレーのクリアを塗装します。
最初の吹き付けは薄めに行い2時間ほど乾燥
サンディングペーパーで軽く研磨します。#600~#1000程度のものが良いでしょう。
重ね塗りを行います。
一度目の塗装よりもしっかりと塗りましょう。
二日ほど乾燥させてサンディング#600~#1500を行います。
コンパウンド細目、極細目で仕上げます。
手順(塗りつぶし鏡面仕上げ)
ラッカースプレーの好みの色を塗装します。
最初の吹き付けは薄めに行い2時間ほど乾燥
サンディングペーパーで軽く研磨します。#600~#1000程度のものが良いでしょう。
重ね塗りを行います。
一度目の塗装よりもしっかりと塗りましょう。
二日ほど乾燥させてサンディング#600~#1500を行います。
同様にラッカースプレーのクリアを同じ工程で塗装します。
コンパウンド細目、極細目で仕上げます。
まとめ
塗装にはたくさんの工程がありますが、塗布、乾燥、研磨の繰り返しでしかありません。
丁寧に積上げて行く事で、綺麗な鏡面に仕上がるでしょう。
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